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流星的見聞録

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甦る古代の響き 天平琵琶譜「番假崇」

投稿日:2011年7月9日 カテゴリ:ワールド

1999
インディペンデントレーベル
芝祐靖, 伶楽舎
【ワールドミュージック】

正倉院に収められている古文書の中から帳簿の裏側に再利用されていた紙に記されていたのは 当時の音楽の楽譜だった。
言うまでもなく、帳簿に記された日付、天平十九年(西暦747年)以前のものと思われる。

日本の古楽研究の大家である芝祐靖氏がこの楽譜から音を起こし、3つのパターンでの演奏を成し遂げた。
1つは、琵琶用であった楽譜を読み解き、楽琵琶により忠実に再現した「琵琶独奏」。
2つ目は、日本の雅楽のスタイルの源流とも言えるいかにも日本的な「唐楽スタイルでの合奏」。
3つ目は、正倉院に収められてる楽器群を復元し、唐の音階(恐らくギリシャや中東とも共通する旋法(音階)を用いた大編成合奏、その極彩色だが何とも表現し難い響きは古代の中国文明は、明らかに今の東洋文化観とは違う括りであった事が推測出来る。
玄宗皇帝が催したであろう「梨園音楽会」を彷彿させるような荘厳でこの世のものとは思えない浮遊感である。

アルバムとしては収録時間が短く、もっと聴きたくなるが、日本や中国の古代音楽を知る上での資料的価値は計り知れない。

 

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