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ウテ・レンパー/ベルリンのカバレット音楽Ute Lemper -Berlin Cabaret Songs

投稿日:2011年7月13日 カテゴリ:クラシック

Ute Lemper – Berlin Cabaret Songs

1997
Decca
Martrix Ensemble, Ute Lemper, Jeffrey Cohen, Jeffrey Cohen [keyboardist], Jeff Cohen, Berthold Goldschmidt, Friedrich Hollaender, Rudolf Nelson, Mischa Spoliansky

【クラシック】

第一次大戦を見事なまでの敗戦で飾り、
経済的にはどん底だった戦間期のドイツ、いわゆる
ヴァイマール共和国時代(1920年代)の文化は経済とは逆に
世界のモダニズムを牽引してると言っても過言ではなかった。
ファッション、建築、美術、音楽、等々・・・
色々なジャンルに於いて約20年くらい先を突っ走っていた。
首都ベルリンは当時洗練された文化の最先端とも言える都市
だったわけだが、本作は名歌手ウテ・レンパーによる、
当時のベルリンのカバレット音楽特集である。
カバレットとは、キャバレーの事なのだが、
いわゆるキャバレーとは少しニュアンスが違う。
ましてや日本人が連想するキャバレーとは全く違う。
本来キャバレーというと、踊りや喜劇のパフォーマンスをする
ステージのあるナイトクラブ的なものだが、
カバレットは文学的なシャンソン、寸劇、演芸が中心である。
当時の知識層はオペラよりもむしろカバレットを好んだらしい。
これらのカバレット音楽は、その後のナチス政権によって
退廃芸術の烙印を押され、抹殺されてゆくのである。
より高度でモダンな文化を追い求めた、
まさに一瞬のモダニズムの輝きを存分に堪能出来る名盤。

(久保太郎)

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